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IIRフィルタ

IIRフィルタ(Infinite Impulse Response Filter、無限インパルス応答フィルタ)は、伝達関数が分母を持つディジタルフィルタです。

基本定義

IIRフィルタの伝達関数

H(z)=b0+b1z1++bJzJ1+a1z1+a2z2++aIzIH(z) = \frac{b_0 + b_1z^{-1} + \cdots + b_Jz^{-J}}{1 + a_1z^{-1} + a_2z^{-2} + \cdots + a_Iz^{-I}}

主要な特徴

1. 効率的な実現

  • 少ない係数で急峻な特性を実現
  • 低次数でのフィルタ設計が可能

2. アナログフィルタとの対応

  • 確立されたアナログフィルタ理論を活用
  • 双一次変換により設計可能

3. 安定性への注意

  • 極の位置により不安定になる可能性
  • 設計時に安定性の確認が必要

設計手法

1. 双一次変換法

s=2T1z11+z1s = \frac{2}{T} \frac{1-z^{-1}}{1+z^{-1}}

2. インパルス不変変換法

  • アナログフィルタのインパルス応答をサンプリング

3. 直接設計法

  • z領域で直接設計

応用分野

  • 音響システム:イコライザ、リバーブ
  • 制御システム:補償器、調節器
  • 通信システム:高性能フィルタ

まとめ

IIRフィルタは効率的で急峻な特性を重視する用途に適しています。設計時には安定性の確認が重要です。